虫歯は放置しても治りません

虫歯は自然治癒することがない病気です。ごく初期の段階では痛みを伴うような自覚症状がないため、なかなか自分では気づくことができません。放っておくとどんどん進行し、その後やがて痛み出し、最悪の場合は歯を失うことになってしまいます。

虫歯治療は、早ければ早いほど楽に済みます。違和感があったり痛みを感じたりすることがあれば、なるべく早くご来院ください。定期検診で虫歯の早期発見につながることもあります。健康な歯を維持するために積極的に定期検診を受けましょう。

虫歯を放置するとどんどん進行します

虫歯の進行状態は5段階に分かれます。放っておくと次のように進行していきます。

ごく初期の虫歯: 表面のエナメル質が白濁する程度の虫歯
  • 自覚症状はありません
  • 適切なブラッシングやフッ素塗布によって歯の再石灰化を促すことで、治癒が期待できます
エナメル質の虫歯: エナメル質がさらに溶け、黒ずんでいる段階の虫歯
  • エナメル質は硬いので進行度合いは緩やかです
  • 冷たい物がしみることがありますが、まだ痛みはありません
象牙質の虫歯: エナメル質の内側の象牙質にまでおよんだ虫歯
  • 冷たい物や甘い物がしみるようになります
  • 痛みも感じるようになります
神経にまで達した虫歯: 象牙質のさらに奥の歯神経にまでおよんだ虫歯
  • ズキズキと激しく痛むようになります
  • 治療も、今までの段階より複雑になります
歯根にまで達した虫歯: 歯神経が死んでしまった状態の虫歯
  • 神経が死んでいるので一旦痛みがなくなります
  • やがて歯根膜にも炎症を起こし始めます
  • 歯根の先に病巣が進むと、再びズキズキ痛んだり膿が出たりします
  • 最終的には、歯を抜いて治療しなければならなくなります

虫歯を放置するデメリット

  • 激しい痛みが生まれます
  • 治療が難しくなります
  • 治療時の痛みが増します
  • 治療(通院)回数が増えます
  • 治療費の負担が増します
  • お口の健康がどんどん失われていきます

虫歯が進行する前になるべく早く歯科医院に行って治療しましょう。

初期の虫歯は再石化で治せます

お口の中では、「脱灰(だっかい)」と「再石灰化」が常に繰り返されています。

脱灰・・・虫歯菌が出す「酸」により歯のミネラル分が溶かされること
再石灰化・・・虫歯菌が出す「酸」によって溶かし出された歯のミネラル分(カルシウム、リン酸など)が、唾液の中和作用により再び歯に戻ること

虫歯は、この脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、再石灰化が遅れてしまうことによって起こります。つまり「歯の再石灰化」が虫歯予防の重要なカギになるのです。

歯の再石灰化を促すには、間食を控えたり、キシリトール食品を活用したりする日常の生活習慣の改善のほか、歯科医院で行うフッ素塗布やプラークコントロール、PMTC(歯科医師や歯科衛生士による専用器具を使った歯のクリーニング)も効果的です。

歯がしみるのは知覚過敏のサインかもしれません

虫歯が見当たらないのに歯がしみる場合、それは「知覚過敏」かもしれません。知覚過敏とは、歯の表面のエナメル質が何らかの原因で削られることによって薄くなり、その内側の象牙質が露出して神経へ刺激が伝わりやすくなって起こります。わずかな刺激にも過剰反応を起こし、冷たい物が「しみ」たり痛みを感じたりするのです。

知覚過敏も虫歯と同様に、早期発見、早期治療が大切。歯が痛んだりしみたりしたら、一度当院までご相談ください。

虫歯を防ぐ方法はこちらでご紹介しています